「デザインの仕事に関わってみたい」
「自分の感性を活かして、誰かの役に立てたら素敵だな」
そんな思いを胸に、これからデザインの道にふれてみたいと感じている方へ。
ここでは、商業デザイナーを目指す方にとって、参考になるかもしれない視点やヒントをいくつかご紹介します。
特別な学歴や資格がなくても、自分らしいかたちでこの世界に関わることは十分可能です。
“好き”という気持ちを出発点に、無理なく心が動く方向へ歩んでいけたらと思います。
通勤圏内にデザイン事務所がある場合は飛び込んでみる
「未経験だから難しいのでは」と感じる方も多いかもしれませんが、実はアルバイトやアシスタントとして、未経験者を受け入れている事務所もあります。
将来的にデザイナーとして働いていきたいという意志を伝えたうえで、現場に少しでも関わってみると、そこから得られる学びや気づきはとても大きなものになります。
仕事としてデザインを意識し始めるなら、実際の空気感にふれてみることもひとつの選択肢です。
画像編集ソフトは最低限使えるようになっておく
商業デザインの現場では、画像編集ソフトの操作がある程度求められる場面が多くあります。
PhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品をはじめ、最近ではCanvaなどのツールも実務で活用されることが増えています。
ありがたいことに、今は本やネット、動画などを通じて独学しやすい環境が整っています。
難しそうに思えても、まずはさわってみるところから。
少しずつ「表現の手段」が増えていく感覚は、きっとおもしろく感じられるはずです。
デザイナーを将来の仕事にしたいなら何か作ってみる
商業デザイナーの仕事は、クライアントの目的や想いをふまえながら「誰かに伝える」ことが軸になります。
その練習として、自分で何かを作ってみるという経験が、とても力になります。
たとえば、
- ポートフォリオサイトをつくってみる
- SNSで画像やバナーを投稿してみる
- スライドや動画など、人に伝える前提でつくってみる など
最初から整っていなくても大丈夫です。
手を動かしていく中で、自分の考えやスタイルが少しずつ見えてくることもあります。
「伝える」ことに意識を向けながら制作してみると、実際の仕事にもつながる感覚が得られるかもしれません。
バナーやサムネイルだけでは差がつきにくくなる
AIの進化や競争の激化によって、単体の制作物だけで仕事を続けていくには、工夫が必要な時代になりつつあります。
そこで役立つのが、「全体を見ながら提案・構成・制作ができる力」です。
たとえば、
- WEBサイトの全体設計
- パンフレットやパッケージなどの紙もの制作
- 動画やSNSコンテンツとの連動提案 など
技術や視点の幅が増えることで、声をかけてもらえる場面も自然と広がっていきます。
自分が興味を持てる分野から、すこしずつ関わる領域を増やしていくのもひとつの方法です。
最後に:商業デザイナーの役割とは?
商業デザインは、「美しいもの」をつくることが目的ではありません。
クライアントの意図や目標をふまえたうえで、
必要な人に、必要な価値が届くように整えていくというのが本質です。
そこには、
- ビジネスとしての成果
- 見た目の説得力
- 伝えたいことを整理する力
などが複雑に関わってきます。
「自由な作品づくり」とは少し違う印象を受ける方もいるかもしれませんが、
誰かの思いや課題に寄り添いながら、それを“伝わる形”にしていくプロセスには、大きなやりがいがあります。
感性やセンスだけでなく、相手との対話や観察も大切な要素。
その点に魅力を感じられる方にとって、商業デザイナーはとてもおもしろい仕事になっていくはずです。
まとめ
まずは、「仕事としてこの道を歩みたいか」を、自分に問いかけてみること。
その気持ちがあるなら、すでに第一歩は始まっています。
次に、商業デザインの役割や現実的な側面にもふれてみて、それでも続けたいと感じられるなら、その想いはきっと本物です。
そして、できる範囲で現場にふれてみることを心からおすすめします。
未経験でも、アルバイトやアシスタントとして関わる経験には、大きな価値があります。
これから先、ツールやAIの進化によって、制作環境はますます便利になっていきます。
一方で、現場の空気ややり取りを経験する機会は、少しずつ貴重なものになっていくかもしれません。
だからこそ、実際に人と関わりながら仕事に向き合った体験は、技術や知識とはまた違う強みになります。
現場で見て、聞いて、考えたことすべてが、あなたの引き出しになっていきます。
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